漫画編集者

漫画家にとって必要な存在,読者の方々ももちろんそうです。もっと身近でいうと,アシスタントさんも大事です。ですが,なんといっても編集者の存在は欠かせないと思います。
編集者というのはなんといっても最初の読者ですから。やはりいい編集に当るかということも漫画家の命運を左右すると思います。もちろん,最終的には漫画家自身の力量に問われるわけですが。

先日NYに出張でいらした講談社の編集者の方達との会話の中で,漫画編集者の件が話題に上りました。
講談社では社内の異動で、今までと全く違う部署に行ったりすることがあるらしいのですが,例えば文庫から雑誌とか,極端な話、今まで婦人系の雑誌やっていた人がフライデーに行ったりとか(そういう人にはまだ会ったことありませんけど・笑)
どうも漫画編集に限ってはあまり極端な異動は少ないとか、そういう話になりました。
確かに、元担当さんの一人で婦人系の雑誌から異動されてきた方います。マガジンからモーニングとか,アッパーズに移った人は何人かいらっしゃったと思いますし。でも漫画以外の部署に異動する人は、私の知る限りあまりいないような気がします。私の元メイン担当さんもずーっとマガジンですしね。

要するにそれだけ漫画編集というのは特殊なんだという結論に達しました。

どう特殊かというと・・・一言すごい。
知識量とか、洞察力とか。
もちろん他の部署の編集さんもみな、頭のいい方ばかりですが,あえてここでは漫画編集の話。
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少なくとも,私の担当編集さんたちはみんなすごい方達でした。映画なんかもばりばり見まくる,ゲームもする,するだけじゃなくて必ず何かそこから,どんなにくだらないことでも,何かをつかみ取る。ある意味執念がすごいとでもいうか・・・
ただ、知識のマニア度が変態級に高いのですが,その反面、個性ばりばりの漫画家を相手に渡り合うわけですからコミュニケーションの取り方も非常にうまいですしたいしたものです。皆ただ者ではありません。

それに回転も速い。
一つ言えば十返ってきますから(笑)
毎度毎度のネーム作業で一発オーケーなんか数えるほどで,90パーセント以上の確率で投げ返されます。
何度凹まされたことか。
私が未熟だったってのも、もちろんありますけど。
おかげで,変に打たれ強くなってしまったかも知れません。だから今こんなところにいるのかも(笑)

信長の頃のメイン担当さんの一人が,実はすごい映画好きで,大学受験の日がちょうど「コッドファーザー」上映最終日と重なったために,受験すっぽかして見に行ったんだとか。おかげで浪人が決定したらしい。筋金入りですわ。
むちゃくちゃ厳しい人だったんですけど,色んなことを勉強させてもらいました。今となってはいい思い出です。

で,アメリカの話になりますが,こちらでは確かに漫画が人気ありますが,この先アメリカで漫画を作ろうとした場合,漫画家の育成とともに「漫画編集者」の需要が出てくると思います。というか必要性をひしと感じます。

個人的には,こちらの出版社も漫画のプロジェクトを発動する前にまずは日本に一年でも研修に行ってほしいところですが,日本語出来る編集者の絶対数が少ないので、まだ無理かも知れませんね・・・
それ以前に「我慢」という言葉に無縁の彼らがネーム片手に何時間粘れるかが興味あるところですが(半分冗談?です・笑)。

たかが19ページといえど,ネームは厳しかった・・・
なんせ、原稿持っていった日に次の話の打ち合わせ約2時間から3時間。
で,家でネーム書いて、次の日にまた打ち合わせ。ネームが一発で通りゃ天国だけど、ダメな場合はやっぱり2時間くらいの打ち合わせのあとでネーム室で更に2時間から3時間監禁状態。下手すりゃ4時間とか。
その間文句もひとついわず(?)たとえ帰りが電車が終わってタクシーになろうがつき合ってくれるわけです(笑)。

ま、それはおいておいて,皮肉じゃなく信頼の出来る編集さんのいた前の編集部のありがたみが身にしみてわかる今日この頃。

とんだ茨の道に踏み込んでしまったと思う自分もいるわけですが,まあなれっこですし,文句いう前にやるだけやってみます。ここで引き返しては女がすたる。

そんなわけです、はい。

・・・ところで愚問なんですが,アメリカ人が研修に海外に行くってこと実際あるんでしょうか・・・あまり見たことない気がするのはあたしだけか?
MANGA事情10.25(Tue)12:23コメント(0)トラックバック(0)Top↑